雑記 2021.3.7(日)母と推し活
実家に帰ったら母親がYouTube観賞用の手作り台を作っていた。さすが来世は大工に成りたいと宣言するだけある。彼女の手に掛かれば一軒家があっという間にアスレチックハウスになっちゃって、誰も止められない。初めは自由過ぎてヤメテと言っていた我々も、最近は何を言っても無駄だと悟り、彼女は自由に生きている。
YouTube鑑賞台にiPadを置き、推しの動画をひたすらに観て時折コメントするのが、最近の彼女の生き甲斐である。80歳間近にして始まったのは、終活ではなく推し活だ。
そんな彼女から「これ、コメントすると(推しに)お金が入るの?」と質問があった。推しの収益化を考える80歳間近の母親とは。ヲタクの鑑の様な予期せぬ発言にビビる。とりあえず広告収入のシステムと、コメントや高評価を付けるのはデメリットにならないはずである事を説明する。それを終始真剣に聞く彼女は、いったいこれからどこに行くのだろう。コンピューターおばあちゃんを地で行く未来を選んだのだろうか。
説明を聞いた後、動画に付けたコメントを見せてくれたので拝見させて頂いた。そこには推しが活動してくれる事への感謝が丁寧かつ冗長されずに書かれていた。世の中のコメントが全てこうだったらどれだけ世界は平和になるだろう、そう思わせる愛と感謝に満ち溢れた文章。これはまさに人生が後半戦に差し掛かった一人の女性が、余生を推しに捧げるお気持ち表明である。彼女は本気だ。万が一グッズが発売でもしたら、彼女は迷わず購入するだろう。そして、推しを祀る神棚がアスレチックハウスに新たに建立されるのである。そんな未来がすぐそこに見える。
どう死ぬかも、どう生きるかも、どちらも自分で建てていくのだ。
BGM:aiko「しらふの夢」
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