2021.10.10(日)違国日記

 朝起きて、昨日の残ったティラミスとエッグタルトを食べる。美味しい!購入翌日なのにパイがさっくりで、噛むと程よい甘さのエッグ部分がパイの隙間に入り込んでくんずほぐれつ口の中に広がる。こりゃ並ぶわな。並ぶからと言って…なおやつは沢山あるけれど、このエッグタルトは美味しかった。そもそも今まであまりエッグタルトを食してこなかったけど、こんなにも好ましい食べ物だったとは。新ルート開拓で笑みが溢れる。もう少し早くから体験したかったけど、この歳で新しい好みを知るのもそれはそれで嬉しい。いくつになっても遅いということはきっとない。

 昨日友達が、恋愛でも血縁でもない、しかも互いに縛らない共有の場を作る。という企画の話をしてくれた。企画というか、人生の作戦会議だ。お互い寂しいでしょ?みたいな共有をしてから話を進める。血縁者がいても、結婚していても、パートナーがいたとしても、いなかったとしても、それでも何かで支えて生きていくシステム。まるで『結婚の奴』だ。『正欲』をまだ読んでいないみたいなので、この話を進めるなら読んで欲しいと推す。私信、なんなら部室費用はシェアにしよう考えていますから。

 こう書くと小難しい話に見えるけれど、実際はバカ笑いして、一貫性のないとっ散らかった会話をして、お互いに「一方的に話してごめんなさい」と言いながら時間が溶ける。こういう思い付きを現実にしていけるから、歳を重ねるのは悪くない。

 そんなことを朝風呂に入りながら振り返っていた。かけがえない、全受けできる仲間。

 夕方一通りこ工程が終わり、後はゆっくりするだけなので『違国日記』の新刊を読む。全身で心待ちにしている作品で、読む時は新刊を読める悦びと、読んでしまうとまた次まで待たなければならない憂いが同居する。
 
 今回も、本当に好きだった。題材は“いま”至る所で取り上げられているものなんだけど、とても優しく噛み砕いてくれて肯定してくれる物語だ。誰でもが分かり合える訳ではないけれど、それでいい、誰か共有してれる人がいる。血縁や組織にその場所がなくとも、何処かにあるはずだから。という優しさを感じる。固まった人にも読んで欲しいけれど、これからの人たちにも読んで欲しい作品だ。知らぬ間に、知ってる間に、誰かを傷付けてしまうことは沢山ある。けれどそれから進む物語がここにある。えみりちゃん、あなたはなりたいあたしになれるよ。大丈夫。朝の成長は楽しみで、早く次が読みたい。

 昨日友達から選書の話を聞いたときに、一番最初に思い浮かんだのが『違国日記』で、その新刊を今日読む。そもそも彼が話す部室と『違国日記』は根が同じだと僕は思っている。だからこそ、外せない。あっ、部室の話は彼の企画なので多くは話せないけれど、本当にこんな話を持ってきてくれる友人がいて僕は幸せだ。なんて、違国日記を読んだもんだから人との繋がりに敏感になる。

 ここに書く日記、こんなに哀愁漂うものだっけ?結婚の奴を読んだくらいからちょっと趣が変わってきている。ただその日々による違いや積み重ねが日記の良さだと思っているから、気にはしていない。書きたいように書けばいいよね。
 
 自宅に戻り、一度洗濯機を回す。回している間にジョギングの準備をする。風が強いけれど、明日は雨らしいから勢いをつけて外に飛び出す。気温は意外と暖かい。風は強いけれど帽子が飛ばないくらいで、むしろ汗ばんできた頃にはありがたい風になる。小さな小さな小石がときどき目に飛び込んでくるけれど、それもまた日々の違いを知る機会になる。先週とは違う道を走りながら考える。たった三日だけど、想像していなかった三日間。これがこれからの僕に定着してくれたいいな。そしてこういう事が多くの人に起きたらいいな。


BGM:iri「回る」
 

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