2021.10.2(土)わかるけどうるさい

 朝起きて舞城王太郎でも時効警察でもなく、『3月のライオン』の16巻を読む。これは自慢だが、僕は根っからの羽海野チカさんファンでハチクロは絶版の宝島社ワンダーランドコミックス版の1巻を所持している。ニヤリ。刊行は2000年6月、ちょうど21歳か。あの歳で読んだから、今も好きなのだろう。花本先生の言葉があの頃と違った味で心に染みる。おすすめしてくれた武井さん、元気ですか。

 実家では朝から母親がうるさい。時効警察ではなく益田ミリさん原作の『僕の姉ちゃん』を観ていたのだが、そのあいだももれなくうるさい。家事の音がどうとかではなく、動作がうるさい。くしゃみまでうるさいし、なんならまばたきもうるさい。「音量を上げたらいいでしょ」と言ってくるが、そんな問題ではない。親というものは存在が既にうるさい。今に始まったものじゃなく、物心ついた時からずっと。そして四十を超えても未だにうるさい。

 それぞれのご家庭で、それぞれのうるささが存在するのだろう。制限をつけられたり、監視と感じたり、所有物として扱われたり、よく聞く話だ。我が家の場合は、ダントツで過保護がひどくうるさい。それぞれのうるささを親側から汲み取れる年齢にはなってきたから、もちろんありがたさもわかっているけど。

 先日の頭痛の日記を読んだらしく、頭が痛いのなら病院に行きなさいと。そう言ってきた。知らんし、読んでいるのは仕様なので仕方がないが、黙っておけ。感想も侵入も求めていない。我々は血縁だが別々の個なのだ。と言っておく。使った言葉は多少違うし、いくら言っても伝わらないことは長年の付き合いでわかってはいる。だが黙ってはいられないので、言う。親は大切にしているが、そこははっきり言わなければいけない。踏み込まれるのは不愉快だと。そうやって、きっとずっと暮らしていく。

 『僕の姉ちゃん』がだらだらとした休みの朝にとても良かった。益田ミリさんの作品の素晴らしさは周知の通りだが、思った以上に好きさが詰まっていた。あぁやって話して支えられる誰ががいたら豊かに丈夫な暮らしがし易いだろう。出来れば僕は、血縁ではない誰かと話したい。僕はなかなか人に弱音を吐き出せないかけど、誰かに甘えられる人はふんふん甘えたらいいよ。それは誰もが持ってるわけではなく、あなたの特権なのだろうから。権利はたくさん使ってゆけばいい。

 久々に気心しれた友人夫婦に会う。この日記にも目を通しているらしいので、最近ジョギングをしている話から「風とか匂いとか、普段気付かないかった風景とかに心が動く様になったよね。こんなふうに感じるなんて、お互い歳をとったね。」という様な話をした。そのあと最近のあれやこれと、これからの話をした。日記を読んでの関わり方、これが手本だぞ、母よ。



BGM:ハンバートハンバート「どこにいてもおなじさ」




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