雑記 2021.3.2(火)卒業式

 初めて当事者ではない立場で卒業式に出席させていただいた。

 今まで当事者としてし参加した卒業式に、感慨深いことなんて何一つない。長くって、暇で、でもお喋りで時間を潰すことも出来ないイベント。そんな印象しかなかった。なんなら当事者として具体的に残っている記憶がない。そんくらい、卒業式に頓着がなかった。感謝はするけれど、留まる場所ではないって初めからわかっていたし、会いたい人とはその先も会えばいいだけの話。ってずっと思っていた。

 それが、なんたることか。華やかに着飾った姿をみて小躍りする気持ちになったり、卒業証書を受け取る背中に実習中の日々を重ねたり、在校生とのやりとりを温かい気持ちで見守っちゃってる自分がいた。なんだこれ、徳光和夫が心の中におる。気付かぬうちに、柴田理恵が僕の中におるぞ。いままで見たことのない、見知らぬ自分がそこにいた。

 これはあれだね、加齢によって感情がガバガバになるやつ。涙腺が緩くなったともいわれるやつ。泣かないけど、そんなやつ。
 積み重ねたものが増えたから、そこに自分でも他人でもを重ねてちゃうんだよね。いや、重ねようなんてしてないのに勝手に重なっちゃうんだわこれ。エモいってやつ。こういう思いがけないエモに、年齢と経験を重ねて、これから更にたくさん出くわすんですよね。僕は嬉しい、エモが大好きだから。エモは邂逅だけれど、その邂逅自体は新しい出会いなんだよね。自分の中ではまだこれからも新しいものに出会えるんだな。歳を重ねるって悪いもんじゃない。

 来年はまた違った卒業式を感じられるんだろうな。新しい卒業式を感じている自分に出会えるんだろうな。

 みなさん、ご卒業おめでとう。これからも誠実に、そして今後もよろしくね。


BGM:宇多田ヒカル「Play A Love Song」

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