雑記 2021.2.17(水)彼彼女らの素晴らしさ

 二十歳の彼彼女らと「花束みたいな恋をした」の感想回ができた。あの映画を見てからというもの、彼彼女らはどんな風にあの映画を見たんだろう。っていうのがずっと気になっている。感想を聞いて回る変なおじさんでごめんなさい。

 彼は正直刺さらなかったと言っていた。おお、どの点で刺さらなかったの?もうその感想すら興味津々です。映画で取り扱われているカルチャーを踏んでこなかったから、その文脈での楽しみ方ができなかった、と少し恥ずかしそうにして彼は言った。全然恥ずかしくなんてないのに。僕としては、それを素直に言えるってこと自体が素晴らしい。そして、カルチャーを踏んでないって事を語れることがもう振り返っての感想なんだと思う。僕が彼くらいの歳なら、素直にわからないって言えなかったと思う。麦くんみたいに分かったつもりであれこれ上っ面だけの感想を言っていた気がする。そんな彼は、もっと深く話せるようになりたいと言う。僕自身は何かについて深く話せることが上で、率直な意見が下なんてことはなくて、なんなら感想なんてなくたっていいと思っている。まぁでも、実際は恩着せがましく読んで欲しい本とか進めて、一緒に話してみたいかも。素直な君のちょっと先の感想も聞いてみたい。

 彼女は感情ではない映画として楽しんだ部分と、感情として登場人物に抱いた感想を話してくれた。その二つを混在させずにとても聞き取りやすく話してくれた。話しているときの彼女は嬉しそうに見えて、僕も楽しくなって、あの部分はどう感じたの?どこが致命的な分岐点だと思った?なんて細かく聞いてしまった。本当に気持ち悪くて自分が嫌になるけど、そんな質問に対しても彼女はしっかりと答えてくれた。聡明だなぁって、素直に思った。話してみないと、人ってわからないんだよね。だから人の話を聞くのは楽しい。

 世代が違ってもこんなに楽しい話を聞かせてくれる彼彼女らが本当に尊かった。大袈裟だけど、彼彼女らから見える未来は明るい。君たちは本当に素晴らしい。


 迷ったり戸惑ったりそれでも精一杯の彼らの行動や決断を、若さなんて言葉で簡単に片付けては行けないと思う。「今時の若者は」なんて言う前に、もっと彼彼女らの尊い部分を見ようとしないと、何も変わらないと思うよ。僕も失敗や反省を繰り返しながらもっと成長していこうと思うので、どうぞよろしくお願いします。


「その時どうでしたか?」


って、未来の視点や感情を問われると、いつも言葉に詰まってしまう。

だから、あえてその言葉を問われていると分かっているけど、うまく答えられない。

うまく答えようとしているのが、まずは邪魔なんだろうなぁ。

うまくなんて答えなくていいんだよって人には言うのに。自分のことになるとてんでダメ。


優しいけど、厳しいなぁ。難しいなぁ、世の中は。


BGM:Awesome City Club「勿忘」

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