2021.1.25(月) 脳内ジャンプ編集部

 僕は今日も美味しいケーキを食べながら、週刊少年ジャンプを満喫いたしました。


先週のはこちら。


新連載はど安定

 松井優征先生の『逃げ上手の若君』。今までの実績から絶対に面白いだろう信頼の中、安心して読み進めることができました。

主人公と脇をしっかりと見せて、現状の対比相手と今後の展開も示唆する一話。そして、グダグダしていない。途中で持ち前の変態キャラ(反面それはそのキャラの造詣の現れ)を出してきても、きちんとテンポを落さない程よいクドさ。凄く読みやすい。伏線もしっかりと楽しめる作者なので、本当に今後の楽しみが増えました。

 こんな世の中だけど、生きていると悦びもあるよ、逃げることは悪いことじゃない、まずは何とか生きよう。というメッセージを勝手に感じました。タイミングと内容が来年の大河と重ねてくる面もあるのかな、なんてことも考えたりしながら。



呪術廻戦はその先がみたい

 呪術廻戦、アニメ人気の勢いなのか、乗ってきましたね。漫画家さんでも編集者さんでもないのでわからないですが、こういう相乗効果ってあるんですかね。

 鬼滅の刃も吉原遊郭付近はちょっとしたグダった印象がありつつも、アニメが始まってからの本誌の盛り上がりは熱と安定性があって、見ている方もグッと入り込んでみれた気がするんです。まぁ、完全に主観なんですけど。やはり作者のモチベーションを維持し続けるって難しいし大事なんですよね。人間だから、作品の質に直結するし。そこを担当さんや編集部がどう関わるかって、マネジメントや人材育成だなって、勝手に考えながら読んでいました。

 今の夏油の話が終わった先が気になっています。この話の先に、何があるのかというワクワクを見据えながら今を楽しむ読み方。呪術廻戦は常にその先が気になる作品でいて欲しいです。



untalented

 アンデッドアンラックは今週も至高でした。先週じゃ飽きたらず、今週も安野雲を深掘ってくるなんて。先週までは未来情報の取捨の件があるからまだ逝かないという余裕があったのに。いや〜来週への緊迫感が深まります。ジーナをあそこでサクッと消した安心と実績のアンデッドアンラックなので、本当に緊張感が凄い。

 そして、いつの間にかそれほどまでに安野雲を推している自分を知り、作者の掌で読まされる巧さに気付きました。安野雲→UN NO 運→UN 不運で何とか生き残って欲しいです。


 内容で言えば、やっぱりアンシーンがいましたね。解説を入れると、2020年50号NO.040の最初のページ左下のコマでリップとキグルミの足に加え足跡があり、これがアンシーンもいるであろう伏線になっています。今回はその回収です。しかもアンシーンは重要な立場でかつ捨て駒だったのが面白い。ただ、目を閉じることで不可視にする強制能力と不自然な額の目の関係を明かしてから、ドロップアウトしてくれないかな。


 あとは今週サラッと出てきた友才さんは、2020年39号No.029でシェン・ムイと交戦している一人っぽいですよね。UNDER確定、否定者確定。友才「それだけの才!!逃しはしないぞ!!」……なんの否定者何でしょうね。楽しみ。


 その後の否定者それぞれの悩みのコマも読者が勝手に想像できる良いコマですね。シェン・ムイはやっぱり深いところが気になります。あと、一コマはビリーだし、何を抱えて違う道を彼は選んだのか、という匂わせ。そして、ニコはやっぱり不眠でしょうか。目の下のクマで不眠かなと思っていましたが、このコマでベッドの中と睡眠薬っぽい描写があるので、確定でいいかなと思っていたりしています。胸にユニオンが埋め込まれている状態を考えると、もう神と戦う決心をした後の場面。それでも否定能力について悩んでいるあたりは、苦悩の深さを勝手に感じてしまいます。人は決心し道を決めたとしても、苦しさから解放されるわけではない、という描写。だから仲間がいるという、少年漫画的展開。


 横たわるジュイスと神=太陽?の間に立つヴィクトルのコマもいいですね。確定されていた今回のループで、ジュイスはアークでループできないことを示唆するコマ。そしてヴィクトルが神と向き合うと同時に、ジュイスを影に入れて守っているという二つの意味を読ませるコマ。


 他にも細かなことを挙げるとキリがないですよね。

・回想の時期にしっかりとカレンダーに曜日がない細かさ。

・アンディに頼んだ技がヴィクトルの死閃(デッドライン)であることでの見せ方。

・ビリーの裏切りの“顛末”とは?お墓に何も刻まれていない意味は?

・UNDERの序列。

・そもそもなぜ今の九能明の髪は白いのか。


 こうやって余白があると、意味のないことまで意味を持たせようとするから、人間て不思議ですよね。安野雲が「あの物語」ではなく「あの“二人の”物語」と言っていることにさえ意味を考えてしまう。



新陳代謝とバンド・デシネ

 打ち切りの匂いを感じてはいながらも、『ぼくらの血盟』の唐突な最後にジャンプらしさが見えた今週号。『AGRAVITY BOYS』『森林王者モリキング』に続き3週連続の連載終了。この後も終了が続く気配を感じながら、どう新陳代謝させていくのかが気になります。ジャンプ+で地獄楽が終了し、サマータイムレンダも終了が近そうなので、チェーンソーマンとの逆トレードもありかなと思っていたりします。怪獣8号も軌道に乗って、ジャンプ+が安定してきているように感じます。


 そういえば、日本初のバンド・デシネ誌『ユーロマンガ』が発売(配信)されました。

 バンド・デシネについては気になる方は調べていただければと思いますが、凄くざっくり言うと『フランス圏の漫画文化』でいいと思います。

 僕はルーブル美術館が漫画(バンド・デシネ)を第9の芸術と呼称したことから発したイベント『ルーブルNo.9〜漫画、9番目の芸術〜』が印象に残っています。

 そこで僕が感じたのは、僕自身は芸術としての漫画より、商業ベースで研鑽された週刊ベースの漫画が好みだけどな、ということでした。打ち切りと戦いながら、週で山場を作り引きで繋げていく漫画に、魅力を感じるんです。だから週刊少年ジャンプが好きなんです。って、ことをこのイベントで確認しました。


 バンド・デシネを今に合わせて電子書籍化し、新しい挑戦をしていくというのが『ユーロマンガ』に込められた思いらしいです。購入して読んでみましたが、作品云々というよりやりたいことがよくわからず疑問を感じた。というのが個人の意見です。

 電子書籍媒体によっては、縦読みを想定していない作品なのに縦読みになってしまったりするのが、挑戦なのかな?そこら辺をまずきちんとするのが先な気しました。読みたくても、ページをめくる違和感で作品の中身にまで集中できませんでした。ただでさえバンド・デシネの左から右に読むスタイルに慣れていず、違和感を殺して読んでいたので。

 あと、そのまま電子書籍かすると文字が致命的に読みにくい。個人の感想としては“テキストと絵を目で追っている”という印象を受けて、漫画の没入感が得られませんでした。ここら辺は翻訳の工夫でどうにかならないのかな。著作権の関係で吹き出しを触れないのかな。

 何だろう。素直にバンド・デシネの面白さを伝えたい。の方がしっくりくるかも知れません。完全に好みの問題だし、だからどうしたって話ですけど、これが商業的に成功してバンド・デシネが日本で広がるとはちょっと思えないなぁと感じた所存です。

 あと、バンド・デシネって見開きページがないんですね。これって商業誌で連載するのが主じゃなく、文庫でドーンと出版するのが主だからですか?すごく不思議な文化による技法の分岐点。

 もっと洗練されていけばいいですよね。海外の漫画も日本で楽しんでみたいので。



 まぁ、とにかくアンデッドアンラックを楽しみながら、HUNTER×HUNTERはまだかなぁと思っている日々。そんなことを考えながら、今週も月曜日が過ぎていきます。


BGM:ドレスコーズ「ゴッホ」

だいだい舎

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